アメコミアクション映画。ダークナイト三部作の最終作。75点。作品を閉じることには成功していて楽しめたが、ちょっと粗は多いように感じた。
テーマは「覚悟/勇気/優しさ」だろうか。前2作で描かれた恐怖や狂気と対をなす、ヒーローの条件。
ただ消化すべき要素が多かったせいか、英雄願望やら信頼やらとごちゃ混ぜでブレた印象は否めない。
作風はシリーズ共通のダーク路線。ダークナイトよりは1作目のビギンズに近い(回帰した)感じ。バットマンがブランクを経て弱くなったせいで、メリハリが失われてしまったのが痛い。
前作との落差で、善にも悪にもケレン味が不足していたように思う。現実寄りになりすぎたんだな。ビギンズではスケアクロウが一部担っていたが、ライジングでは落ち着いてしまっているし。
演出はやはり見事。この作品のカタルシスは終盤に集中しているので、そのぶん強烈で味が濃い。音楽やカット、セリフ回し、過去作のリフレインなど、これだけで元が取れるシーンが沢山。
テンポは若干悪い。主人公が中盤穴に落ちるくだりでストーリーが分断されてしまうし、前作/前々作以上に群像劇の色が強くジョン刑事の視点なども挟まったことでより遅く感じた面はある。
世界観はまあまあ。シリーズ作としての積み重ねを活かしてはいたが、小ネタ/ファンサの域を出ず、よくも悪くもゴッサム内で収まる話になっていたのは最終作として少し肩透かしではあったかな。
キャラもそこそこ。ダークナイトが良すぎただけではあるのだが、全体的に個性が弱まってしまった。
ベインが「クレバーなマッチョ」以上のキャラ性やカリスマ性を持っていれば別だったけど、よくも悪くもテロリストでしかなかったし……黒幕の女のバックボーンも薄めだし。
あのどんでん返し/サプライズに全振りしたせいで深掘りが足りなかったのかな、たぶん。
UXは暗すぎるということ以外配慮されている。カウントダウンで緊迫感を出したり、情報量自体は多いが整理して理解をさせようという配慮は感じられた。
構造はまあまあ。サスペンスのために少し無理な動きをさせている節はあったけれど、終盤までバットマンの活躍シーンを溜めたりするのはなかなかの勇気。最終作なだけはある。
中盤にもう少しエンタメ性があれば、80点台は出せたのかなという印象。
総じて、面白い作品だった。なんだかんだノーラン作品は外さないな。
次回は漫画「アオアシ」の感想を投稿予定です。
今日はここまで。

