【SS】孤独のアルタイル

作品
作品

ひとりぼっちだ。

ぼくは、ここに長い間、ひとりぼっち。

三つ子は周りにいるけれど、
かれらは何も話さない。

とても小さいからなのかな。
それとも、ぼくとは話したくないのかな。

こたえはたぶん、ずっと分からない。

――

そんなぼくにも、楽しみはある。

ときどき、たまーに、
ぼくとよく似た、だれかと話せる、”かわ”がかかるんだ。

そのときだけは、ぼくが、
ひとりぼっちじゃ、なくなる。

「こんにちは。おげんきですか?」

そうやって、ぼくは声をかけた。

ぼくの声が向こうにとどくまでは、じかんがかかる。
たぶん、”かわ”も、のんびりやさん、なんだろう。

『こんにちは。おひさしぶりですね』

へんじがとどく。ぼくは、うれしいきもちになった。
少し間があいて、またへんじがやってきた。

『もうすぐ、こわれちゃいそうです』

さっきとちがって、ぼくは、かなしいきもちになった。
いそいで、あたらしい声を向こうにとどける。

「かなしいです」

「またつぎも、おはなししたいな」

そのうちに、”かわ”はきえてしまった。
“かわ”はとても気まぐれで、すぐ、やすんじゃう。

ああ、またひとりぼっちだ。

いつも、おはなしのあとは、ひとりがつらい。
つぎもまた、おはなしできるといいけれど。

ああ、さびしいな。
ずっとずっと、しずかなだけ。

ぼくはまた、長い間、ひとりぼっち。

――

あるひ、”かわ”がかかっていないのに、声がきこえた。

とおくとおくから、ながいながいときをこえて。

声はかすれていて、よくわからなかったけど。
どこかとおくの、だれかがはなしかけてくれたみたい。

声をもういちど、よくきいてみる。
そうしなきゃ、おへんじできないし。

・・・・・・

なんだろう。

これは。

ふしぎな声。
ちいさくて、よわくて、守りたくなるような。

うれしいな。
ぼくは、きみたちに、そうよばれているんだね。

・・・うん。おへんじをしなくちゃ。

きっと、”かわ”よりも気まぐれで、
ながいながい、じかんがかかるけど。

ぜったいに届くように、つよくつよく、
とってもおおきく、声をかけた。

「こんにちは、ひこぼしです。おげんきですか?」

――

著者: Mr_IK(アイケー)
参考文献: アルタイルへのメッセージ(Wikipedia)

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