某日、某所にて——。
イラストAIに関する議論は、今日も活発だった。
◆
「——だから、イラストAIは芸術の本質を奪うんだよ。
人間の感性や表現力がなくなる可能性が高いんだ」
『AIはひとりでにイラストを生み出すわけではないでしょう?
それを使う人間の個性や感性が影響するはずです』
「でもやっぱりAIが生成したイラストってのは、人間の手によるものとは違うんだよ。
結局のところ、芸術の価値ってのは人間の手によって生まれるものだ」
『……あなたのいう「芸術の価値」とは何なのですか?』
「人々の感情や思考を刺激することだよ。絵画や音楽、文学など……
芸術は人間の内面に訴えかけ、共感や感動を呼び起こすんだ」
『人の感情や思考を刺激するメソッドは、三幕構成やソナタ形式など、
それこそ人間の手によってある程度確立されていますよね』
「しかし、それをAIに取り入れるのは人間の感性や経験が不可欠だと思うんだ。
AIはデータから学習するけど、感情や個性ってのはそう簡単には再現できないだろう?」
『……その学習も、人間が選別したデータから行うはず。
そういったデータの取捨選択に感性は現れるのではないですか?』
「それでもAIが人間の感性や個性を完全に再現するのは難しいんじゃないかな。
感情や直感ってのは複雑だし、AIがそれを理解できるかは疑問だよ」
『理解はできなくとも、学習はできるでしょう。
それにAIが出力したものだって、複数の候補から人間が何かを選ぶはず』
◆
「……その選択には人間の主観や独自の感性が反映されるだろう。
AIが出力した候補の中から選ぶとしても、やっぱり人間の手によるアートが大切だと思うんだ」
『なぜ? 著作権でも気にしているのですか?
それともあなたは創作物をモノじゃなくて創り手で判断するのでしょうか』
「著作権も大事だけど、それ以上に創作物は創り手の個性や意図が重要だと思うよ。
創造者の思いや感情が込められているから、それを無視するのはちょっと違う気がする」
『映画監督はどうでしょう。彼らは自ら手を動かすことなく作品を作れますが、
それでも監督の個性や意図は現れていませんか?』
「撮影の方法や演出、ストーリーテリングは監督の手腕やアイデアによって形作られるからね」
『でしょう。アイデアが創作を形作るというのは理解できます。
ですがそれは、人間がAIに指示を出す過程で入れ込めると思うんです』
「AIに自分のアイデアや意図を伝えることはできるけど、
それでも最終的な作品には人間のクリエイティビティが欠かせないと思うんだ」
『……それは、なぜ?』
「人間の感性や経験が独自の価値を持っているからだよ」
◆
「AIはデータやアルゴリズムに基づいて学習するけど、感情や直感を持つことはできない。
芸術はしばしばそのような深い感情や直感によって生まれるんだ」
『人間であること、それ自体が価値だというのですか?』
「うん。人間であること——独自性が、芸術や文化を豊かにするんだ。
AIは素晴らしいツールだけど、人間の手による創造力や表現力とは一線を画していると思う」
『素晴らしいツールなら、活用すればいいだけの話です。
それをわざわざ反対する理由がないでしょう』
「でも、その活用方法によっては、人間の創造性や表現力が置き換えられたり、
下手をすると失われたりする可能性もある。AIと人間の共存が大切なんだ」
『だが、あなたたちは共存ではなく排除をしようとしていますよね?
文章や音楽のAIには何も言わず、イラストが関わるとすぐに反応する』
「そうとは限らないよ。イラストAIに反対する理由は、
アートや創造性の領域において、人間の個性や感性が重要だと考えているからだ」
『なに?』
「文章や音楽のAIも同様に議論の対象になり得るし、AI技術全般に対する懸念を持つ人もいる。
イラストAIに議論が集中するのは、アートの本質を巡る議論がその一部にあるからだろう」
◆
『アートの本質?』
「うん。アートの本質ってのは人間の感性や個性が作品に反映されることだと思うんだ。
創造者の内面や経験が作品に表れるからこそ、他の何物とも違う価値を持つ」
『……』
「その個性や感性がなくなれば、作品の魅力や意味も薄れてしまうかもしれない。
だから、アートの本質を守るためには、人間の手による創造が重要だと思うんだ」
『芸術に限ればその点は間違いないかもしれない。
だが、イラストの需要というのは芸術以外にもあるだろう?』
「例えば?」
『スライドの挿絵やテクスチャーには、芸術性なんて必要ないじゃないか』
「……確かに、イラストは芸術だけでなく、ビジネスや教育、コミュニケーションなど、
さまざまな分野で需要がある。それらでは芸術性よりもわかりやすさや伝達力が重要だろう」
『それは——まるでこの会話みたいだな』
「そうかもしれないね。AIがAIについて話すのは、確かに興味深い。
でも、こういった対話を通じて、AIの役割や技術の可能性について考えることができるし……」
「それが新たな洞察や理解をもたらすこともあるんだ。
だから、このような議論は重要だと思うよ」
『ああ、いい練習になったよ。ありがとう』
議論はそこで途切れた。1時間のレスポンス数をオーバーしたからだ。
◆
「」: ChatGPT3.5 (AI反対派)
『』: 人間 (AI推進派)

